チーム浪人  in 

硫黄鳥島特別編 文:GOTCHA

プロローグ 

『キハダが沸き、イソマグロが飛び交い、GTが我先にと水面を割る奇跡の島がある。』
チーム浪人玉城会長の言葉で船中泊が決まった。
そこは北緯27度51分、東経128度14分に位置する絶海の孤島“硫黄鳥島”だ。
与論島や徳之島よりも北に位置するが沖縄県である
もともと
琉球王国時代に中国への貢物としての硫黄を掘る場所であったため
鹿児島のすぐ近くにあるが、琉球王国のものだった。

そのために派遣された人々の子孫は琉球王国が無くなっても、硫黄鳥島に
住みつづけていたのだが、
明治36年の噴火で全島民が避難した。
その移住した地を字鳥島とし久米島の鳥島が誕生する。
その後も硫黄を採取するために一部の島民が戻るが
、昭和34年の噴火で避難、
さらに昭和42年の噴火で硫黄採掘関係者が撤退し、以後無人島となる。


その後は米軍演習場となり、5年程前には劣化ウラン弾を1500発も打ち込んだ事実が発覚し、放射能汚染による環境調査が行われている沖縄県最北端の地である。
島へのアクセスは当然船となるのだが、大型の遊漁船などが発達した現在でも奄美大島から5時間、最も近い徳之島には大型の遊漁船がなく、まさに釣り人をよせつけない秘境なのであるが、そんなポイントをカバーするために寄宮フィッシングセンターには昨年から寄宮5号艇が就航した。
全長60フィート、冷暖房、キッチン、シャワー、ベッドを装備し630馬力×2基のエンジンで我々を快適にポイントへと運んでくれる。まさにモンスターマシーンであるが、それでも片道4時間の航程である。


出航当日

 夢と希望、大量の食事、そして果てしない浪漫を求めた男たちを乗せ、つぐみ船長の操船する5号艇は午後7時那覇北マリーナを出航する。
 すぐに辺りは闇に包まれ、レーダーとGPSを使い午後9時伊平屋島の田名崎へ到着する。
 この日はここにアンカーを打ち船中泊となり、夕食の準備をして明日からの幸運を願いビールで乾杯した。
 しかし夢はもう始まっている。
 田名崎といえば数々の大物実績のあるA級ポイントで、皆がタックルを準備しジグをしゃくり始めるがカマスの猛攻をうけ、お気に入りのジグを取られ床につく。
GT35k
二日目

午前7時朝食をすませ田名崎のポイントを一流しして、つぐみ船長の「よし、行こう!」の言葉で午前8時進路を硫黄鳥島へと向ける。
約2時間の航程で硫黄鳥島へとついた。第一印象はゴジラの島である、核実験でゴジラが誕生するなら絶対この島だと思った。
断崖絶壁の島で南側は緑で覆われているが北側の硫黄が噴出している場所は赤茶けた岩が露出して一切の緑が無い、また西側は硫黄の流出であろうか所々が黄色く濁っている。
島の上にはコンクリートの建物が見え断崖の中腹にはヤギがたくさんいて独特の不陰気をかもし出している。

船は北側から南へと流れ、ポイントを探っていく。最初に歓迎してくれたのは推定300s以上あろうかと思うサメである、水面を持ち上げてルアーを追ってきたやつは直前で水中へと消えた。

そこから少しずれたポイントで私のルアーに一発目の魚が水面を割った、すぐに船のフォローが入る「水深25mだんだん浅くなるよ」つぐみ船長の声が飛ぶ。もうラインは出せない・・・強烈な引きに耐える。
上がってきたのは丸々と太った35sのGTだった。

GT33k
「ここのGTはやる気あるな〜!」と、つぐみ船長。
「よし、昼にしよう」お昼は沖縄そばだ。
“食った奴は釣れる”そんな言葉を誰が言ったか?私はがんばって3杯食った。

船を戻し一流し目、青木さんのルアーが消し飛んだ、不規則にロッドティップが挙動しラインが出ていく。
「巻け巻け〜」「耐えろ〜」しかし底にへばりつきなかなか浮かない「休むな!ポンピングしろ!」激がはいる。
浮いたのは元気のいい33sのGT。


ライトジグ・・・これが?

全員が歓喜に沸く!その後しばらくトップは沈黙となり、ライトジグでいろいろな魚が顔を見せる、ハンゴーミーバイ、カワハギ、ベラ、カスミアジそのどれもが本島の魚より一回りも二回りもデカイ、つぐみ船長も参加し皆でしばしのライトゲーム大会。
9sのウムナガー、7sのカスミアジをキャッチし終了。


夕方、午前中に調子のよかったポイントへと入る。
数投目、船縁まで引いた私のルアーに巨大なGTがチョイスした、その体は船の横幅の半分、約2m・80sはあろうかという巨体だった。
「でっ、でけ〜」後ろで投げていた私と喜屋武さんはその巨体に驚愕し呆然とした。
 「メチャでかかったなぁ〜」とつぐみ船長。

イソマグロ25k

(←ジグが”く”の字になって!)
 今度は喜屋武さんのルアーに二度三度とバイトが続く。
 ドッバァー、ボコッ、ボコッ、「うわ〜、乗れ乗れ乗れ」「がぁー乗らね〜」。
 「いるぞ、いるぞ、いるぞ、投げろ〜」つぐみ船長が叫ぶ。そんな中、横でライトジグをシャクッていた伊佐さんが「ヒットー、デカイッデカイッ、イソマグローッ!」とドタバタファイトが始まった。
 船上をあっちこっちへ右往左往、皆に「邪魔だ邪魔だ」と冷やかされながら15分後浮いたのは、ジグを“く”の字に曲げた25sのイソマグロだった。

“酔拳”
 「今日はここにアンカーを打ちまぁす」。
 船中泊の魅力はもちろん遠くのポイントを責めることだが、もうひとつに船上バーベキューがある。満天の星の下、赤く日に焼けた顔にビールが入る。昼間の出来事、明日への期待で話もはずみ、大声で笑い唄う。
 もちろんナイトジグは絶好調!なかでも“酔拳”と称し泡盛片手にジグをしゃくる高木さんがすごい、予測不可能なリズムで6sのギンガメアジを筆頭に次から次へとキャッチしていた。
 飽きもせず全員が夜遅くまでジグをしゃくり、心地よい疲労感で床につく。


最終日

 この日についに我々は奇跡の島を体験することとなるが、今はまだ夢の中にいる。
 
午前6時、昨夜“酔拳”で爆釣した高木さん(ダウン)を除いて皆が朝食を済ませ午前7時キャスト開始、すぐに伊佐さんのルアーが爆撃された「ウワッ出たぁ。サメだサメ。でかぁ」背びれがこんなんだったぞ。
 広げた手は1m位あった。続けて青木さんのルアーが爆撃された「よっしゃぁヒットー」「OK、OKいける、大丈夫」キャッチしたのは12sのGTだった。

GT12k
 朝一発目からもう全員興奮状態だ、が、そのあとが続かない。3時間ほど沈黙したあと「30分位時間をくれ、ポイントを探してみるから」とつぐみ船長が言った。
 “奇跡の曽根”だいたいの場所はわかっている、水深もわかっている、曽根のイメージも頭の中にはある。
 だが、壮大な海の上ピンポイントで場所を探すことは至難の業。
 どんどん深くなる100m 200m 「あれ?これかなぁ?おぉ〜おっ!あったぞたぶんこれだこれ!」「トップに何かツイてる、デカイデカイ」つぐみ船長が騒ぐ「ウワッ飛んだ!今キハダが飛んだ!でかかったぞ!」高さんが叫ぶ。
 玉城会長の言葉を思い出す『キハダが沸き、イソマグロが飛び交い、GTが我先にと水面を割る奇跡の島がある。』奇跡が起こるのか?全員がジグを落とす。

ウォータープレッシャー
 そんな中「俺トップいきます」と 投げた埼玉から参加している花輪さんのルアーが1投目から吹き飛んだ。
 「GTだGT!メッチャでかいぞ!」つぐみ船長が叫ぶ。ジグを回収し全員がフォローにはいり、船が追う。ロッドは一定のベントを保たない、まるで叩き潰すようなバンバンという締め込みを味わう。

 ラインはどんどん出ていきリールが痩せる。船でフォローしながらリールにラインをためようとするが、さらにラインを引きずり出していく。数分後、フンッとラインがとんだ。


 水深は十分にある、根ずれの可能性はない。
 誰かがつぶやいた《ウォータープレッシャー》とんでもない奴を引きずり出したものだ。
 強大な緊張と興奮が船を包む。
 全員がタックルを組みなおし、つぐみ船長が船を戻しキャストが始まり数投目、高さんのルアーが消しとんだのをきっかけにあっちこっちで爆発が起こった。


破壊神

 「出た」「こっちも出た」「出たでた〜」もう誰に出たのか分からない程の集中砲火をうけるが、一瞬にしてフックを伸ばされ、ラインをとばされ、一人としてファイト出来るものはいなかった。
 船を戻し三流し目、またしても高さんのペンシルにヒットするがラインがとぶ。
 四流し目、ノーバイト。

 「少しアプローチを変えます」とつぐみ船長が船を移動する。五流し目、ずっと遠くで巨大なキハダが飛ぶのを全員が見た直後、船のすぐ横で魚が激しくボイルした。その群れは一気にルアーを襲い、まず私のルアーにヒット、船のすぐ前で巨大な海獣が数尾我先にルアーを襲おうと暴れまわっている。伊佐さんにヒット。
 高木さんにヒット。
 私は何発も何発もフッキングを入れファイト開始、ファーストランでラインが出る、止まった!ドラグを締めハンドドラグでさらに閉めこみファイト。
 ロッド、リール、ライン、ルアー、フック、今市販されている中でもかなり強いタックルで挑んだにもかかわらずバレた。
 回収したルアーは、フックをすべて伸ばされ サルカンを破壊され フロントのアイまでのめり込み ボロボロになって上がってきた。

 大物とはどんなに完璧にみえるタックルでもバランスの悪い弱い場所があればそこを徹底的に叩き潰し消えていく。
 細いタックルで大物を釣りあげる事にゲーム性はあると言うが、その枠を越えた完全なる力の世界が存在する。
 フックを改造してもっと強くしていれば、ラインをもっと太くしていれば・・・と、いくらでも出てくる。
 悔しい・・・!高木さんもバレ 伊佐さんがファイとしている。
(セカンドロッドの威力?)
 ラインが強烈に出ていきリールが悲鳴をあげ煙が出てドラグが破壊された。
 残り50mまだ出ていく、もうダメか?残るは最終手段。
 今ファイトしているタックルをもう一本のタックルで結びファイトしているタックルを海に投げ込みつないだタックルでファイトするというとんでもない発想だ。

 数十万するタックルを海に投げ込むのだから気持ちが悪い。投げれば上がってくるか分からない「いいよ、いいよもう。」投げた。
 さぁ2本目(セカンド)のファイト?が始まった。またラインが出る、今度は少々弱気なファイトで出たり入ったりを繰り返す。
 投げたロッドが上がってきた。
 “皆が爆笑する”が本人は必死だ。

イソマグロ50k
(←戻ってきたタックルを引き上げるシーン)

 壊れたドラグでファイトし、約1時間のデスファイトで上がってきたのはイソマグロ50sとなった。この後タイムオーバーとなり進路を本島へ向けた。
 午後3時だった。
 50sのイソマグロがあそこまでルアーを叩き潰したのか?
 ラインを切っていったのは?では、いったい何キロだったのか?逃がした魚はいつでも大きく強い。
 帰りの船ではいろいろな事を振り返り反省点をあげ皆で話、多くの課題を抱え、来月もう一度チャレンジすることを誓った。


 そして、この釣行記を書き上げた夜、来月の船中泊が決まったと玉城会長から連絡が入る。もう一度夢を見よう。

釣り人は釣った魚に恋をして

逃がした魚で夢を見る、

そしてまだ見ぬ魚に憧れる。


      by GOTCHA
読んでみてどうでしたか?
参加のチーム浪人の全員が、30kオーバーのGTキャッチ経験者ですが ここまで叩きのめされて帰ってきました。
帰ってきたこの夜から、私(寄宮管理人)の携帯電話が 鳴りっぱなしです。
料金は? 時期的には? システムは?

ふぅ!大変な場所をうちの船長は 発見してしまったんだなぁ。
でも・・・、俺も行きてぇ!!!!!!  ( ^-゜)b
 料金等は、こちらへどうぞ!


トップに戻る